ジオ展2026に参加しました

2026/04/28

こんにちは。

河口研究室B4の石井利旺(roz)です。

本記事は、2026年4月28日に東京・大手町のホールで行われたジオ展2026に参加したレポートです。

rozの他に学生は masashi, kamijo, aoi, haru, teru, tam, shoji が参加しました。

ジオ展とは

ジオ展は2016年から始まった、地図位置情報関連の企業や学生団体等が一堂に会する共同展示会です。

規模は年々大きくなっていて、今年度は昨年の1000人超と同等かそれ以上の来場があったと主催者から伺いました。

overview

河口研もこの場をお借りして研究内容を展示・発表してきました。

展示発表

河口研は今年「移動ビッグデータのみを用いたエリア・移動モデリングとその応用」というテーマで、以下の研究を展示しました。

  • エリアモデリング / ユーザモデリング:滞在情報からエリアの「使われ方」を分散表現として獲得し、人の移動軌跡を「エリアベクトル遷移」としてモデル化する手法
  • OpenUAS:東京・大阪・名古屋・福岡など主要8都市のエリア埋め込みをオープンデータとして公開する取り組み
  • 将来の都市人流予測(LP-BERT):HuMob Challenge 2023/2024/2025 (@ACM SIGSPATIAL) で連続受賞している、Transformerベースの移動予測モデル
  • 土地勘AI:都市空間に関する自然言語の質問にマップ上で回答する、知識グラフ連携型のAIシステム
  • 3次元人流で描く3D都市利用実態マップ:名古屋市を対象に、3次元人流データから建物形状の推定や地下街の可視化を行う研究
  • 擬似人流生成&都市人流シミュレーション:実人流の特徴を保ちつつ約24万エージェント(名古屋市全人口の約10%)を生成・可視化するアプリケーション
  • 地域情報収集の取り組み:対話を通じて地域住民・観光客から経験ベースの知識を引き出すAIシステム

今年は口頭発表の枠が埋まってしまい登壇はせず、ブースでチラシ全般の内容について来場者の方々と直接お話しする形を取りました。多くの方が訪れてくださり、活発な議論ができました。特に aoi の「対話による地域情報収集フレームワーク」は人気で、多くの方が興味を示してくださいました。

また、ベクトル埋め込みベースのエリア・ユーザ表現に興味を持ってくださった方も一定数いて、「都市設計にこう活かせるのでは?」といった応用アイデアもいただけました。

ジオコンペ出場

口頭発表の代わりに、今年は併催のジオコンペに出場しました。

私(roz)は「3次元人流からの建物構造推定」をテーマに発表しましたが、コンペの趣旨と少し方向性がズレていたようで入賞には届きませんでした。

それでも、自分の研究テーマを外部の場でプレゼンできたこと、コンペ参加者や観客の方からフィードバックをいただけたのは収穫でした。

懇親会

夜はジオ展の懇親会に参加しました。

特に印象に残ったのは MetCom の方とじっくり話せたことです。話した内容を簡単にまとめると、次のような感じです。

  • データをどんなことに使いたいか:都市設計などに活かし、都市コンサルなどとの提携につなげていきたい。災害時の避難経路設計にも活用できれば、というお話
  • データの今後:キャリブレーションが進んでおり、近いうちに同じ対象範囲で有効デバイス数が7倍のデータを提供予定とのこと
  • 今後の連携:テーマとして確立できればいつか共同研究もしたい、という前向きなコメント

また、懇親会の途中で学生が皆の前で決意表明をする場面があり、これはかなり緊張しました…。僕と masashi は「程よい長さでちゃんと喋れていた」と主催者の方に褒めていただけて、ひとまずホッとしました。

他団体の展示で面白かったもの

私自身は去年のジオ展には参加していないので前年との比較はできませんが、今年の展示で個人的に面白かったものを紹介します。

バーチャル静岡(VIRTUAL SHIZUOKA)

shizuoka

静岡県が進めている「県土まるごと3Dスキャニング」プロジェクトで、航空レーザ測量(LP)と移動計測車両(MMS)で取得した県域全土・5千億点の3次元点群データを、CC BY 4.0 のオープンデータとして公開しているそうです。

被災前後の点群を重ね合わせた被害把握、津波・河川氾濫の3Dシミュレーション、自動運転、バーチャル観光、景観計画など、活用範囲がかなり広いのが面白かったです。河口研で扱っている「動的な人流」と、こうした「静的な3D構造」のデータが組み合わさると、もっと細かい都市分析ができそうだなと感じました。

地理情報プラットフォーム系の出展

自社のデータ単体を売るというより、地理空間情報を統合・配信するためのプラットフォームを打ち出している企業が目立ちました。

  • 国際航業の Geozén / PAREA-API:地理空間情報を統合して API として提供する基盤
  • Pacific Spatial Solutions:Cesium / FME / Felt / Fused / CARTO など海外発のGISプラットフォーム群を国内向けに繋ぐ取り組み

研究室で作っているモデルや可視化アプリも、こうしたプラットフォームに乗せれば外の世界と繋がりやすくなりそうだと思いました。

Stroly のおかげ横丁デジタル絵地図

stroly

そして個人的に一番テンションが上がったのがこれでした。

以前、伊勢のおかげ横丁を旅行で訪れたときに使った絵地図アプリがあって、「観光イラストマップなのにGPSで現在地がちゃんと出るし、めちゃくちゃ歩きやすい!」と大興奮した記憶がありました。それを作っているのが株式会社Strolyだと今回のジオ展で初めて知り、「あの時の地図、ここが作ってたのか…!」と一人で盛り上がっていました。

Strolyはイラスト絵地図に位置情報を結びつける独自技術を持っていて、おかげ横丁のデジタル絵地図は年間約21.4万人が利用、最近は防災情報(AED・一時避難所)の追加や多言語化にも対応しているそうです。観光体験と防災を同じ地図上で扱うという発想は、研究室で進めている人流データの応用先とも近いと感じました。

その他

今年は内閣府も初出展していたそうで、地図・位置情報が国レベルの取り組みでも本格的に扱われ始めているようでした。出展団体は全部で72社・団体で、規模の大きさに驚きました。

最後に

今回、初出張としてジオ展2026に参加しました。

ブースでの議論、MetComの方と語った懇親会、昔旅行で使った絵地図の制作元(Stroly)に偶然再会できた瞬間など、研究の外側で得たものが多い一日でした。

来年のジオ展では、口頭発表の側で参加して、今年のテーマの続きを話せるようにしたいです。

河口研の研究について「もっと詳しく聞きたい」「研究室を覗いてみたい」という方は、ぜひ見学へいらしてください。

学生へのコンタクトは rikuto☆ucl.nuee.nagoya-u.ac.jp へどうぞ! (☆を@に変えてください)